りおさともきあ

riosatomokiaのリアル知人紹介と思考を集めます

居酒屋で2時間35歳の友人にした酔っ払い談話が、2時間5千円の進路カウンセラーと同じ内容だった

鬱なツイートばかり流していてタイムライン上にフォロワーの少ない私が勝手に心配になったので、35歳の友人と久しぶりに飲みに行った。35歳なので、仮に35とする。

 

35は「正社員」を求めてやりたい仕事に向けて頑張ったりもしたけれど、本人の言葉を借りれば「契約社員にしかなれなかった」。面接では35歳の壁も感じていて、現在は仕事に就いていない。失業保険を受けながら、カフェでランチをして資格の勉強をしたり、面白そうな東京ビッグサイトの展示場に参加したり、話題の新しい専門学校の試験を受けてみたりしていて何がやりたいのか進路迷子になっていた。あと1カ月したら失業保険が切れるのでそのことに焦りつつも、長年交際中の正社員のパートナーと結婚の話題もちらほら出ているのだという。

 

話を聞きながらお酒の勢いも借りて「そんなんじゃいつかパートナーに捨てられるよ」と不幸の予言を吐く毒舌な年下の私。

 

『みんな自分よりすごいんだよ。何もハマれないし、オタクが羨ましい』「じゃあ、35は毎日行くカフェの人も自分よりすごいと思う?」『それは…自分のがもっとうまくできるかなって』「(喰い気味に)ホラそうじゃん!みんな全然大したことないよ。でもカフェの人は固定収入があって35はない。35のが仕事ができたって世間ではそういう評価をされちゃうんだよ。もったいないじゃん」

 

するとごそごそとカバンから紙を取り出し「実は……」と有料サロンの話をし始めた。いくらか忘れたけど安くはない会費で参加している有料サロンの課題を、図らずもワリカンの酒代で1つ共有できた私。お金を稼ぎたいのに、お金を使ってばかりの35。

 

なんだろう。

 

『履歴書に、ガッカリされたくなくて『これはできない』みたいなことを書くんだけど』「!?!?!?何で!?聞かれたらできませんって言えばいいじゃん!」『いや、もうこの年齢だから、当たり前にあれもこれもできるとか思われたくないんだよ』「どんな会社だって初めて入ったらできない知らない分からないことだらけだよ!その時はスイマセン何も知らなくてって教えてもらえばいいじゃん。できなかったら、これから覚えますって」

 

35はアルバイトのときの先輩だった。接客を教えられるプロフェッショナル、とまではいかなかったかも知れないけれど、私なんかよりもっとホスピタリティやちゃんとした応対をしていた。多分今同じ仕事をしても相手の方ができるだろう。経験年数が違うからとかじゃなく、ちゃんと人と向き合える姿勢を持っている。そんな35が仕事が「できない」人だとは思わない。でも35が心底「やろう」と思わない限り、外野がヤイノヤイノけしかけても1ミリメートルも変わらない。

 

年下なのに突然職場の最寄り駅まで来てもらって、酒飲んで偉そうに管を巻く私だって転職直後で思うように仕事ができていなくてあの日だってああだったらって思うこともたくさんあって、どうしようもない人間だ。みんな似たり寄ったりだ。それでも違うのはなんだろう。

 

『カウンセラーに全く同じことを言われた。2時間5千円も払ったよ』「じゃあ私がLINEで毎日エライ人のやる気が出るお言葉を送るから、月10万円ちょうだい」「10万円!高いよ』「でもそれで一ヶ月後に就職して年収が500万円とかになったら、安いもんじゃない?」『何進めてんの!入っちゃうから!w』

 

冗談とも本気とも取れるアドバイスで2時間5千円の内容と同じなら、私も今すぐ稼げるかしら(っていうかその2時間5千円、ぼったくりだったのでは)。

こういう人がせめて腐らないで報われるような社会にしたいけど、世界は行動できない人をどんどん追い去っていく。いつまで、誰もがこんな社会を走り続けられるだろう。